HTC Vive運用メモ
最終更新日:2021年07月28日記事作成日:2016年12月08日
主にイベント展示やデモでHTC Viveを使用するときの運用上のTipsをまとめています。
更新履歴
(2021年7月28日)記述をざっと見直し
Steamを起動せずSteamVRを起動するには
vrmonitor.exeを直接起動すると、SteamへのログインやアップデートなしにSteamVRを即座に起動できます。
エクスプローラーでC:¥Windows¥Program Files (x86)¥Steamを開いて、vrmonitor.exeを検索してください。Altを押しながらデスクトップなどにドラッグするとショートカットが作られます。さらに、これをスタートアップに登録して自動起動することもできます。
SteamVRを一度起動して、タスクバーのSteamVRを右クリックして「タスク バーにピン留め」する方法もあります。
ヘッドホンの音声をスピーカーでも鳴らすには
SteamVRの設定ウィンドウ、オーディオタブの「オーディオミラーリング」をオンにします。
シャペロン境界を消すには
トラッキング空間の端のほうに行くと出てくる水色の枠を「シャペロン境界」といいます。体験者が壁などにぶつからないようにするためのものですが、コンテンツによってはこのシャペロン境界を完全に消したい場合があります。C:¥Program Files (x86)¥Steam¥config¥steamvr.vrsettingsを開いて、以下のような設定をしてください(カンマの有無等に注意してください)。
{
"collisionBounds" : {
"CollisionBoundsColorGammaA" : 0
},
...
なお、SteamVRのダッシュボードの設定から「シャペロン」の設定を開いて「境界の不透明度」を操作すると、上記のCollisionBoundsColorGammaAの設定が書き込まれますので、その上で数値を書き換えると簡単です。ダッシュボードからでは数値が80までしか下がらないようになっています。
ルームセットアップを楽にする
ルームセットアップはViveコントローラ1本だけで可能です。立位のみのキャリブレーションはViveコントローラなしでも可能ですが、ダッシュボードが開けないのでどうしても1本は必要なようです。
ルームセットアップでは部屋の端に沿ってコントローラを動かしますが、安全そうなら「詳細モード」(部屋の四隅でトリガーを引く)のほうが速いです。
Lighthouseについて
HTC ViveやValve Indexは「Lighthouse」というトラッキングシステムで現在の位置を知ります。Lighthouseのベースステーションはその名の通り灯台(lighthouse)の役目を果たし、赤外線を一定パターンで部屋中に照射して、それをヘッドセットやコントローラのセンサー群で拾うタイミングで位置と姿勢を推定しています。つまり、トラッキングのためにはヘッドセットやコントローラのセンサーからベースステーションが見えている必要があります。
ベースステーションは、全灯をフラッシュしたのちレーザーを縦横にスキャンするというパターンを高速に繰り返します。赤外線の照射がどのように行われているかを示すイメージ動画があります。
ベースステーションは、2台をトラッキング空間の端と端に配置することになっていますが、1つだけを正面に置くといった使い方も可能です。もちろんベースステーションが物や身体に隠れるとトラッキングが切れるので注意です。
ベースステーション2台のチャンネルは、同期ケーブルで接続しない場合はBとCに、接続する場合はAとBにします。ベースステーション1台の場合はAにします。
同期ケーブルを使わない場合、2台のベースステーションの直線間に物体(または人体)があると同期が途切れトラッキングできなくなります。ベースステーションを高い場所から見下ろすように配置するか、同期ケーブルで接続します。
ベースステーションの設置にはカメラ用やライト用のスタンドが使用できます。ベースステーションはモーターで振動し、またそばを歩くと揺れたりするため、安定度のやや高めのものを使ったほうがいいです。
ベースステーションを壁の近くや部屋の角に設置すると赤外線が壁で反射してトラッキング精度が低下するため、壁から離して設置するのがコツです。
複数のベースステーションのセットを使用するときは要注意です。 ヘッドセットやViveコントローラが無関係なベースステーションの赤外線を拾うとトラッキングが乱れてしまいます。展示会などでこの問題によるトラブルが多発しています。ベースステーションの配置に気をつける、黒いパーティションで区切る、ベースステーションをカバーで覆って照射範囲を狭める、高い場所から見下ろすような配置にする、ベースステーションを複数のヘッドセットで共有して使用するといった対策が必要です。ベースステーションの赤外線はかなり広い角度で照射され、金属や鏡で反射します。ヘッドセットから見える場所に別のベースステーションがあるとまず間違いなく何らかの影響を受けます。日中は屋外から差し込む光にも注意が必要です。
ベースステーションの電源がオンになっていると、赤外線を使用する家電等のリモコンが効きにくくなったりするようです。
Mixed Reality映像を撮影するには
Unityで作られたSteamVRアプリの多くで、以下のような、体験者が実際にVR空間内で楽しんているかのような映像を撮影することができます。
「HTC Viveでクロマキー合成映像を撮影するには」にまとめましたので参照してください。
その他
SteamVRのメニューの「ディスプレイ ミラー」でヘッドセット内の画面をPCにミラー表示できます。
Viveコントローラのバッテリーの持続時間は約4~6時間程度です。使用状況にもより、特にバイブレーションを多用するとバッテリーがあっというまになくなります。終日の展示などではこまめに充電する必要があります。
SteamVRの設定>パフォーマンス>「フレームタイミングを表示」で、フレームごとのCPU・GPUの処理時間のグラフを表示できます。解説がこちらのページにあります。